
目次 もっと見る
- NSIPS®(エヌシップス)とは?
- 薬局がNSIPS®に対応した機器・システムを導入するメリット
- NSIPS®に対応させられる機器の例
- NSIPS®に対応した機器を導入して薬局の業務改善につなげましょう
NSIPS®とは、調剤システム間の連携を目的として整備された共有仕様のことです。薬局で用いる機器やシステムなどをNSIPS®対応のものに切り替えることで、業務上の課題を改善できる可能性があります。
「煩雑な作業を排除して業務を最適化したい」「無駄なコストを削減したい」といった悩みがあれば、導入を検討してみましょう。この記事では、NSIPS®の概要や導入するメリット、対応可能な機器の例をご紹介します。薬局運営の悩みを抱える担当者様は、ぜひ参考にしてください。
NSIPS®(エヌシップス)とは?
NSIPS®とは「New Standard Interface of Pharmacy-system Specifications」の略で、「調剤システム処方IF共有仕様」とも呼ばれます。薬局における業務のICT化が進む中、これまでは調剤システムの仕様がメーカーごとに異なるのが課題となっていました。複数メーカーの機器を連携させるためには複雑な対応が求められる上に、コストもかかります。こういった問題を解決できるソリューションとして誕生したのがNSIPS®です。
NSIPS®は簡単に言うと「調剤システム間でデータを共有する際の体裁」のことです。薬局で利用されるレセプトコンピューターや調剤鑑査システムなど、各調剤システムを連携する際のフォーマットとなります。NSIPS®を活用することで、機器やシステムのメーカーを問わずにスムーズな連携が可能となりました。
薬局がNSIPS®に対応した機器・システムを導入するメリット
現在、多くのメーカーからNSIPS®対応の機器やシステムが販売されています。導入することにより、どのような効果があるのでしょうか。以下では、薬局がNSIPS®に対応した機器・システムを取り入れた際の具体的なメリットを解説します。
コスト削減につながる
ご紹介したように、複数メーカーの機器を連動させるにはそれなりのコストが生じます。機器ごとに異なる連動ソフトを導入する必要があり、その分の費用がかかるためです。
NSIPS®対応の機器を使用することで、調剤機器やレセコンなどの連携ソフトを1つにまとめられます。結果、データ連携にかかるコストを抑えられるようになるでしょう。
業務効率が向上する
NSIPS®対応の機器を揃えることで、個別にデータを調整する作業が不要となります。機器の導入や入れ替えもスムーズに行えるようになるでしょう。また、対応のPOSレジがあれば医療用医薬品やOTC医薬品などを同時に会計処理することも可能なため、会計業務をさらに効率化させることができます。
人的ミスを軽減できる
NSIPS®に非対応の機器の場合、それぞれに処方情報を手入力する必要があります。
薬局の業務上、入力ミスが大きな問題に発展するケースも考えられます。できる限り入力の機会を減らし、人為的なミスを削減する工夫が必要です。データ連動がスムーズになるNSIPS®なら入力業務を削減できるため、このようなトラブルの予防につなげられます。
NSIPS®に対応させられる機器の例
NSIPS®対応の機器を選ぶことで、薬局業務の効率化を実現させられます。現在は、主に以下のような機器がNSIPS®に対応しています。
レセコン(レセプトコンピューター)
医療機関において、診療報酬明細書(レセプト)を作成するために使われるシステムです。診療情報などを入力すると、自動的に保険点数を計算してレセプトを発行できます。NSIPS®対応のレセコンであれば、作成したデータを他の調剤システムに手軽に取り込めるのがメリットです。
電子薬歴
患者様の処方歴や副作用歴などを管理できるシステムです。紙での管理に比べて情報検索が容易になり、保管スペースも減らせます。NSIPS®対応であれば、処方内容を正確に反映させた薬歴をスムーズに更新できるようになるでしょう。
全自動分包機
処方内容に基づき、薬を自動で一包ずつまとめられる機械です。服用タイミングが同一の薬を一包化することで、患者様の飲み忘れ・飲みすぎ・飲み間違いを防ぎやすくなります。NSIPS®対応のものならレセコンや電子薬歴などとの連動も円滑に行えます。
薬袋発行機
薬袋に薬剤情報や患者様の氏名などを印刷できるプリンターです。幅広い形状の薬袋の印刷に特化しています。NSIPS®対応機器であれば一つずつ情報を入力し直す手間がかからず、レセコンのデータから適切な薬剤情報を印字できます。
調剤鑑査
処方通りに薬剤を揃えられているか確認する業務のことです。調剤のミスによる事故を防ぐために重要な作業となります。調剤した人とは別の薬剤師が行いますが、調剤監査システムを活用するケースも多く見られます。NSIPS®対応のシステムを用いることで、レセコンなどのデータと照合しやすくなり、より正確なチェックを実現できるでしょう。
POS(Point of Sale)レジ
販売時点情報管理システムを搭載したレジのことです。会計の際、販売した商品の種類や価格、個数などがリアルタイムで反映され、売上管理や在庫管理などに活かせます。NSIPS®対応のPOSレジならレセコンの情報と連動させられるため、レジでの手入力が不要となります。会計業務の大幅な効率化につながるでしょう。
薬局で利用される機器には上記のようにさまざまな種類があります。ただ、POSレジがNSIPS®に対応していないケースは珍しくありません。新たにPOSレジを導入する際は、NSIPS®の対応状況を確認してみましょう。
NSIPS®に対応した機器を導入して薬局の業務改善につなげましょう
NSIPS®に対応した機器やシステムの導入は、薬局の業務効率化と改善に大きな効果をもたらします。コスト削減や人的ミスの減少にもつながり、より安心できる運営が期待できます。今後、薬局運営の質を向上させるためには、NSIPS®に対応した機器を取り入れることが重要な一歩となるでしょう。業務の最適化を目指す薬局担当者様は、ぜひ導入を検討してみてください。
