
目次 もっと見る
- フランチャイズのラーメン店とは?
- フランチャイズでラーメン店を開くメリット・デメリットは?
- フランチャイズのラーメン店を開くときの自己資金はどれくらい?
- 参考にしたいフランチャイズのラーメン店
- まとめ
自分でラーメン店を経営してみたいが何から始めればいいのかわからない、という方に適しているのがフランチャイズというビジネス形態です。人気ラーメン店や老舗ラーメン店など、数多くのお店が加盟店を募集しています。しかし、フランチャイズならどこでも同じというわけではありません。
そこで今回は、フランチャイズのシステムから加盟時に必要な資金、運営資金などについて基礎的なことをわかりやすく解説していきます。
フランチャイズのラーメン店とは?

フランチャイズとは「自社の商品の専売権を供与する」といった意味で、日本で最初にフランチャイズビジネスを導入したのは1963年に「ダスキン」、やや遅れて洋菓子の「不二家」といわれています。ラーメン店のフランチャイズ展開が始まったのは1967年で、石川県の「8番らーめん」は北陸3県を中心に店舗拡大し、現在はタイや中国にも出店しています。
では、そもそもフランチャイズとはどのようなシステムなのか、具体的に見てみましょう。
フランチャイズでラーメン店を開業するということは、フランチャイズの本部に加盟して開店することで、脱サラや主婦など未経験者でも条件が合えば加盟することが可能です。
本部は加盟者に対して「商標(ブランド)・看板」や「経営ノウハウ」を使う権利と、「継続的な支援」を受ける権利をパッケージとして提供し、加盟者はその対価として本部に「ロイヤリティー(使用料)」を支払う仕組みになっています。ロイヤリティーは売上の4~5%からが一般的で、高いところでは50%というフランチャイズもあります。
フランチャイズでラーメン店を開くメリット・デメリットは?

フランチャイズで店舗を拡大している業種は数多くあります。外食業界でもレストラン、居酒屋、ファストフード、カフェ、すし店、ラーメン店などがあります。フランチャイズによる出店が増えているのは次のようなメリットがあるからです。
メリット1.資金の融資が受けやすい
フランチャイズで開業する場合も資金が必要です(次項で詳述)。資金を十分調達できない場合は融資を受けることになりますが、本部のブランド力などによって金融機関からの信用が得られ、審査に通りやすくなります。
メリット2.ビジネスリスクが軽減される
本部が開発した経営ノウハウ(接客サービスや調理法、仕入法など)について事前に研修を受けてから開業できるため、個人で開業する際のビジネスリスクに比べればはるかにローリスクです。広く名の知られたブランドであれば新規オープンでも集客力が高く、また、販促活動も本部の支援を得られるため、宣伝広告費をそれほどかける必要がありません。
メリット3.継続的にサポートを受けられる
加盟店の売上を伸ばして経営を安定させるために、定期的・長期的に 本部からスーパーバイザーと呼ばれる担当者が訪れて支援を行います。加盟店側はスタッフの育成や業務改善などについて相談に乗ってもらえるので安心です。
このようなメリットがある一方、フランチャイズには次のようなデメリットがあります。
デメリット1.ロイヤリティーの支払い義務がある
利益があまり出ないときでも、本部にロイヤリティーを支払わなければなりません。家賃や光熱費、材料費も払わなければなりませんからロイヤリティーは大きな負担になることがあります。
デメリット2.経営の自由度が低い
本部の設定した契約を受け入れて運営するビジネス形態なので、契約期間中はオリジナルメニューを提供したり、独自の販促キャンペーンを行ったりすることはできません。契約終了後でも、経営ノウハウが流出するのを防ぐため同業種での営業が禁止される場合があります。
デメリット3.他の加盟店のあおりを受けやすい
フランチャイズのメリットはそのブランド力を生かせることですが、ひとたびブランドに傷がつくと全加盟店があおりを受けてイメージダウンは免れません。以前、フランチャイズのコンビニで、アルバイト店員が度を超した悪ふざけをして、それをSNSに投稿したためブランドイメージが大きく損なわれ、ほかの加盟店も風評被害にさらされたことがありました。ネット社会の現代はそうしたリスクもあることを認識する必要があります。
フランチャイズのラーメン店を開くときの自己資金はどれくらい?

フランチャイズでの開業資金は、本部へ支払う費用と店舗運営のための費用の2つに分けられます。のちのちのトラブルを防ぐためにも、どういう目的で使われるお金なのかを理解しておきましょう。
加盟金
本部が築いたブランドや開発してきた経営ノウハウを提供してもらう対価として加盟時に支払うお金で、前述したパッケージの購入資金ということもできます。金額は店舗の規模によって異なり、小型店舗は100万円前後、大型店舗は300~500万円が相場とされています。フランチャイズによっては加盟金ゼロ円というところもあります。
本部に支払うお金にはロイヤリティーもありますが、ロイヤリティーは毎月継続的に支払う使用料のことで性質が異なります。
保証金
開業後に発生するロイヤリティーや仕入れ代金などの担保として、あらかじめ本部に支払っておくお金です。加盟金は返還されませんが、保証金は契約終了後に返還されるのが一般的です。
研修費
開業前に一定期間、経営者として必要な知識、経営ノウハウ、スタッフのマネジメントなどを習得するための研修が行われます。その参加費用のことです。研修期間は1週間程度がふつうですが、泊りがけで集中的に行うところや2か月以上の長期間行うところなどさまざまです。交通費や宿泊費は加盟店が負担するケースがほとんどですが、加盟金に含まれているところもあります。
物件取得費・内装工事費・設備費
物件・内外装・厨房機器など費用のすべてを加盟店が負担するケースでは、加盟金なども含めて1,000万円以上の開業資金が必要になるでしょう。
これらの費用をすべて本部が負担するところもあり、この場合は300万~500万円前後で開業することもできます。
ただし、低資金で開業できることを強くアピールするフランチャイズは、加盟金徴収を目的とした悪質業者の疑いがなきにしもあらずです。現にそうしたトラブルが起きていますから、事前に十分調査することが大切です。
参考にしたいフランチャイズのラーメン店

フランチャイズに加盟する場合は、有名店だから、店舗数が多いからと安易に選ぶのではなく、希望するお店に足を運んでQ(食材などのクオリティ)S(接客サービス) C(クリンリネス=清潔感)を自分の目で評価してみましょう。高い点数をつけられるお店であれば本部のサポートが行き届いていることの表れです。
ここでは、QSCのいずれも高く評価できるお店をあげておきますので参考にしてください。
どさん子
1967年、両国に「札幌ラーメンどさん子」1号店をオープン。現在の加盟店は約300店舗
8番らーめん
フランチャイズシステムを導入して50年の歴史を持つ老舗ラーメン店
まとめ

いかがでしょうか?
フランチャイズビジネスでは、本部と加盟者の関係性は経営者と社員という雇用関係ではなく、あくまでも同等の立場ですから加盟者もれっきとしたオーナーです。オーナーの仕事は管理(マネージメント)です。つねに経営状態を把握し、売上が思うように伸びない場合は原因を追究して、改善していく必要があります。本部のサポートに頼れるのもフランチャイズの長所ですが、最終的な責任はオーナーにあることを心して経営に臨むようにしましょう。