モバイルオーダーは、課題を一気にクリアするソリューションだと考えました

目次 開く
- 大学生協に広がる「ユビレジ」、その次の一歩
- 13階建てのビル型キャンパスが持つ課題への挑戦
- 混雑緩和・ロス削減を実現した「OMU Bento Hub」
- 学生インタビュー:一番ありがたいのは、昼食が“確保されている”という安心感
- 安心から広がる、次の可能性
- 副学長 松本教授インタビュー:今回のモバイルオーダーは大阪公立大学全体のスマート化につながる、出発点の一つになる
導入前の課題感
- 13階建てのビル型キャンパスで1階が食堂。昼食時に約6,000人が集中することになると、混雑による安全面が心配
- 中層階での弁当販売に際し、「事前予約」ができる仕組みがなかった
- レジ対応と商品受け渡しに人員を割く必要があり、ピーク時や夜間営業の人員コストが課題だった
導入後の効果
- 「大学生協モバイルオーダー&決済」と複数の受け取り場所の導入により利用が分散され、混雑緩和と安全性向上、提供数の安定を実現
- 事前に注文しお弁当を確保できる安心感が満足度につながり、リピート利用が増加!
- 弁当販売は最小1名での運営が可能となり、省人化と効率的なオペレーションが実現
大学生協に広がる「ユビレジ」、その次の一歩
クラウドPOSレジ「ユビレジ」は、2022年より生活協同組合連合会大学生協事業連合(大学生協事業連合)の会員生協に導入され、現在4000台を超えるレジが稼働しています。大学生協では、昼時間帯に利用が集中することによる混雑緩和と、限られた時間内での提供数向上に日々取り組んでいます。そして新しい施策として、混雑緩和の一助として「ユビレジ QRオーダー&決済」を活用したモバイルオーダーが、2025年秋、大阪公立大学 森之宮キャンパスにて先行導入されました。
今回は、大阪公立大学生活協同組合 専務理事 藤井 貴浩様、日々利用している学生の皆さん、そして大学側の狙いについて大阪公立大学 副学長の松本 淳教授にお話を伺いました。
13階建てのビル型キャンパスが持つ課題への挑戦
新キャンパスで「大学生協モバイルオーダー&決済」を先行導入することになりましたね。きっかけは何だったのでしょうか?
藤井様:森之宮キャンパスは13階建てのビル型キャンパスで、約6,000人の教職員・学生が在籍しています。オープンにあたっては、もし全員がお昼の時間に一斉に1階の食堂に降りてきたら、どうなるんだろうか、という懸念を大学担当者との打ち合わせの中で共有していました。昼休みは1時間、食堂の広さにも限りがあります。階段での移動も多い構造ですので、混雑による転倒など、安全面の懸念もありました。
そうした中で考えたのが、“1階に降りてこなくても済む、分散させる仕組み”でした。ちょうど色々考えている中で、大学生協事業連合でモバイルオーダーを試行するという動きがありました。「それなら、森之宮キャンパスでやってみよう」、と実験店として手を挙げました。

キャンパスのオープンと新しい施策の呼びかけのタイミングが重なったのですね。森之宮キャンパスは都市型かつ次世代型キャンパスだそうですね。
藤井様:はい。森之宮キャンパスでは「スマートユニバーシティ構想」を掲げ、スマート社会の実証実験拠点と位置付けられています。
大学生協としてもICTを活用した課題への取り組みは常に意識していることでした。大学の方向性とも一致していますし、キャンパスが持つ構造的な課題にも対応できる可能性がある。今回の取り組みは、課題を一気にクリアするソリューションだと考え、導入するに至りました。
混雑緩和・ロス削減を実現した「OMU Bento Hub」
“1階に降りてこなくても済む仕組み”とは、どのようなものでしょうか?
藤井様:「OMU※ Bento Hub」という仕組みです。
利用者に自身のスマートフォンから「大学生協モバイルオーダー」にアクセスしてもらい、お弁当を事前に注文・決済をし、食堂のある1階ではなく、中層階に設置した受け取り場所で商品を受け取っていただく形にしました。
各受け取り場所には温蔵カートを設置しており、食品衛生上の安全基準を満たす60度以上で保温しています。温かいお弁当をそのまま受け取れるようにしている点も特徴です。
※OMU(Osaka Metropolitan University=大阪公立大学)


▲事前に注文〜決済を完了することで、温かいお弁当を並ばずに受け取れる
実際に運用を開始してみていかがでしょうか?
藤井様:まず大きいのは、混雑の緩和です。
授業の兼ね合いもありますが、昼休みの時間に1階に降りてくる人数が当初の想定よりも減り、自然と人流が分かれるようになりました。集中を散らすという意味では、効果的だったと感じています。
また、学生さんからはお店に行かなくても手元のスマホでメニューが分かり、選べることが支持されています。「決済可能な時間」と「販売個数」があらかじめ設定できるため、お弁当を「予約して購入できる」よう運営側でコントロールが可能です。結果として、通常の運営ではどうしても起こる約1割前後のロスが、「OMU Bento Hub」ではほぼなくなりました。ロスがないことは、お弁当の処分に心を痛めていたスタッフにとってポジティブな効果となっています。
それは素晴らしいですね!オペレーション面ではいかがでしょうか?
通常の弁当販売では、レジ担当と商品受け渡し担当の2名体制が必要でしたが、「OMU Bento Hub」は、決済は事前に完了しているので、受け渡し担当1人で1拠点を任せられます。ローコストオペレーションという観点でも非常に助かっています。
学生インタビュー:一番ありがたいのは、昼食が“確保されている”という安心感
モバイルオーダーの利用頻度や、普段の使い方を教えてください。
文学部 3年次
利用頻度:週に2〜3回
一番ありがたいのは、昼食が“確保されている”という安心感ですね。事前にメニューや売り切れ状況を確認できるので、今日は何を食べられるのかが分かった状態で動けます。
並ぶ時間がなくなった分、昼休みの時間を効率的に使えるようになりました。
商学部 1年次
利用頻度:週2〜3回
以前のキャンパスでは、食堂に行って売り切れていたり、昼休みに時間が足りず、隣のコンビニで出来合いのものを買って教室で急いで食べたりしていました。
今は、2限と3限の両方がある日はモバイルオーダーを利用します。時間に余裕がある日は、並んで食堂で食べます。その日のスケジュールに合わせて選べるようになったことで、以前の“忙しない感じ”がなくなりました。
工学系 1年次
利用頻度:週4回
画像を見ながら商品を選べるので、列の後ろの人を気にせず、友達と相談しながらメニューを決められるのが楽しいです。以前のキャンパスのように、並ばなくていいこと自体が新鮮でした。
昼休みの時間を課題や友達との時間に使えるようになり、時短になっていると感じます。
工学系 1年次
利用頻度:週1回か、2週間に1回(普段はお弁当持参)
小テストがある日など、時間がタイトなときに使っています。特に3限にテストがある日は、確実に昼食を済ませておきたいので助かります。スマホでチェックでき、メニューを悩む時間が確保できるのがありがたいです。
周辺には食事場所が多くないので、もしこの仕組みがなかったら、昼食をどうするか朝から計画しておかないといけないかもしれません。

安心から広がる、次の可能性
学生の皆さんがとても便利に使っていることが分かりました。職員の方の反応はいかがでしょうか?
藤井様:導入当初は、スタッフから不安の声もありました。
特にスタッフには主婦の方が多いので、「使いこなせるだろうか」という心配もありましたが、ユーザーである学生さんがこのような仕組みに慣れていることもあり、学生さんがリードして利用してくれたため安心感が増しました。

今後、「大学生協モバイルオーダー&決済」をどのように活用していきたいですか?
藤井様:まずは人員や製造体制を整えながら、利用割合を広げていきたいと考えています。割合を広げて行くことで、さらなる食堂の混雑緩和につなげていきたいですね。また、この仕組みは「大学生協電子マネー」の環境が整っていれば、他キャンパスや他大学にも展開しやすいと感じています。森之宮キャンパスがひとつのモデルケースになれば嬉しいです。
学生さんの手元にレジがあるというのは、6,000人いれば6,000台のレジがあるようなものです。そこにはまだまだ可能性があると思っています。何よりも、学生さんが面白いと思いながら使ってくれていることが一番嬉しいですね。そのワクワクが少しずつ広がっていけばと思っています。
ユビレジ:「モバイルオーダーが利用者の手元をレジにする」というのは面白いですね。お話ありがとうございました。

副学長 松本教授インタビュー:今回のモバイルオーダーは大阪公立大学全体のスマート化につながる、出発点の一つになる
大阪公立大学は先進的な取り組みを推進していますね。
松本教授:本学では「スマートユニバーシティ構想」というものを掲げています。これは単なるDXやIT化ではなく、新しい社会や世界をどう創っていくか、という問題意識が出発点となっています。
その中でも新設した森之宮キャンパスは、「小さなスマートシティ」や「リビングラボ(社会実験の場)」と位置づけています。大学を起点に、大阪、日本、そして世界へとイノベーションを波及させていきたいと考えています。
今回の大学生協が展開するモバイルオーダーの取り組みについてはいかがでしょうか?
松本教授:そういう意味で、今回の取り組みは本学の方向性と完全に一致していると言えます。それは単に決済を便利にする取り組みだから、というわけではありません。
短期的には、昼食時の混雑を緩和し、学生の貴重な時間を守ることにつながりました。時間を効率化できることで、学習や課外活動に充てられる余白が生まれます。
そして長期的には、大阪公立大学のスマホアプリなど、他のシステムと連携し、休講情報や空き教室情報などと有機的につながることで、学生一人ひとりの年次や生活リズムに応じた“パーソナライズされた空間”を実現していきたいと考えています。
自身の学生時代は、用事のたびに各窓口(教務、生協、購買など)に足を運ぶ必要がありましたが、今は全てがスマートフォン一つで可視化・完結するようになりました。これは大きな変化です。学生の購買や生活に関するデータを活かし、生活の質(QOL)を高めていく。その土台となる仕組みだと捉えています。
モバイルオーダーを高く評価いただき、ありがとうございます。最後に今後の展望をお聞かせください
森之宮キャンパスでの取り組みを、今後は他のキャンパスにも広げ、大阪公立大学全体のスマート化につなげていきたい。その出発点の一つが、今回のモバイルオーダーだと感じています。

ユビレジ:松本教授、ありがとうございました。




