
飲食店が売り上げを伸ばすためにできることは、基本となることを除いて、業務形態によって違いがあります。飲食店は味やメニューを洗練させること、どういう客層をターゲットにするかによって、戦略の練り方も違ってきます。では、飲食店における営業以外で収益をあげられるとしたら、どんなことが思い浮かぶでしょうか?
そこで今回は、本来の飲食店による営業としての売上ではなく、レンタルスペースとして貸し出しを行って利益を得るヒントをご紹介します。
レンタルスペースとは

レンタルスペースと聞いて、どういうイメージを持たれるでしょうか?
図書館の自習室のように、静かな環境でゆっくり勉強をしたいという学生が利用する学習スペースや、レンタル会議室など、レンタルスペースの用途は様々です。
このように、やりたいことがあっても場所が無いという人が多くいます。レンタルスペースとは、各種行事、イベント、会議などを行うために貸し出されているスペースです。
趣味のビーズ教室や刺しゅう教室、朗読会に歌の会、一週間に一度や月に一度、仲間と集まる場所が欲しいという人もいます。仕事の打ち合わせの場所を探しているけれど、喫茶店やレストランではなく個室を望んでいるという人たちもいるでしょう。
こういった方々のニーズを汲んで、1時間につきいくらといったかたちで、時間単位で限られたスペースを借りることができるのがレンタルスペースです。時間貸しだけでなく、1日単位、ときにはウイークリーで貸し出すことも可能です。
飲食店をレンタルスペースとして貸し出すメリット

飲食店をレンタルスペースとして貸し出すことをこの記事でご紹介することで、売上が今一つ伸び悩んでいるというオーナーさんにとっての一筋の光になることを願っています。
レンタルスペースというのは、通常はビルの一室やマンションの共有スペースなどが主となります。したがって、事務所のような一室ではなく、飲食店のアイドル時間を利用したレンタルスペースは、利用する側にとってもメリットが大きいのです。
飲食店には、当然のことながら厨房(キッチン)があります。キッチンがあるレンタルスペースは、飲食店ならではのものでしょう。レンタルスペースとして利用する側は、この厨房を使いたいと考えている方もいるので、需要はあります。もちろん、食材や食器などをどの程度利用していいのかという契約は、事前にきちんと取り決める必要はありますので注意が必要です。
無機質な会議室のような一室ではない飲食店は、利用する側にとってとても嬉しいスペースとなるでしょう。たとえば、定休日や営業時間以外をレンタルスペースとして貸し出せば、飲食店側は営業売上以外の収益を生み出すことができるのです。
レンタルスペースとして利用できることは、本業である飲食店のPRにもなります。レンタルスペースとして利用しようという場合に、お店の雰囲気を事前に知りたいという理由で来店してくれることがあります。また、レンタルした際に「感じのいいお店だな」と思ってもらえると、これを契機に、リピーターになってもらえる可能性もあるのです。
レンタルスペースとして貸し出す場合の注意点

飲食店の厨房には、食材や食器が豊富にそろっているはずです。そこで、たとえば喫茶店などでは事前にコーヒーを店主が立てておいて、その立てたコーヒーは自由に飲んでもよい、紅茶のティーパックは持参してもらい、人数分のティーカップは利用してよいという契約をしてみるのです。
カップは破損の危険があります。破損したときの弁償金などのトラブルを避けるためにも、食器は使用不可にし、紙コップなどを持参してもらい、水やお湯だけは利用可というレンタルスペースもあります。
また、飲食や調理をするスペースということで、ゴミが出るということは避けられません。ゴミ袋は一枚サービスして、出たゴミはすべて持ち帰ってもらう契約にするか、ゴミ処理はすべてサービスに組み込む方法もあります。どちらかというと、「ゴミはすべて持ち帰ってください」という場合が多いようです。
レンタルスペースをアピールしよう!

レンタルスペースの利用目的をいくつかご紹介しましたが、そのほかにはプロモーションをする場、パーティー、そして展示会や物販イベントとしても利用されます。料理教室として利用したい人もいるかもしれません。
おもしろいところでは、これからカフェなどの飲食店を開業しようと考えている人が、開業しているお店を一日借りてみるということも可能です。
さまざまな利用シーンがあるため、レンタルスペースをPRする際は、利用方法を限定しないほうがいいようです。利用する側は、まさか飲食店が自分たちにスペースをレンタルしてくれるなどと想像していないかもしれません。
飲食店をレンタルスペースとして貸し出すときのアピール方法として、チラシ配布、口コミ、サイト登録などがあります。さまざまな利用方法の例をメニューに掲げ、いろいろな利用者に飲食店をレンタルスペースとして使えるということを知ってもらうようにしましょう。
不動産をシェアするという考え方

ここまでは、飲食店の休日や開店前、閉店後などの時間を利用して、レンタルスペースとして貸し出す方法についてお話してきました。
ここでは貸し出すという考え方ではなく、不動産をシェアするという考え方が広まりつつあるということについてご紹介します。
最近では、車や洋服、着物などを購入するのではなく、必要なときだけ借りるという考え方が広がっています。成人式のときの振袖も、購入する人より借りる人の方が多くなっています。ブランド物のバッグなども、必要な時にレンタルできるサービスもあります。
そういった流れの中で、不動産もシェアするという目的で購入するのです。たとえば、喫茶店のオーナーが開店するときに、そのお店をシェアしようという約束を誰かに取りつけて始めるというやり方です。つまり、「このお店はあなたのものであり、私のものでもありますよ」ということですね。
レンタルスペースとして貸し出すこととは少し違いますが、借りられるものはどんどん借りるという時代。新たな視点での店舗活用方法が見つかるかもしれませんね。
まとめ

いかがでしょうか?
プライベートな場所が欲しいという人は、意外と多いのが現状です。場所を探している人からすると、まさか飲食店が貸してくれるとは思ってもいない方もとても多くいます。厨房をどこまで使ってもらうかということを考えなければいけませんが、お客様にとってもオーナー側にとってもメリットが多いレンタルスペースです。チラシや口コミ、サイトへの登録をして、まずはレンタルスペースを認知してもらいましょう。