
飲食店には、いつもお客様がいっぱいでとても繁盛しているお店と、いつもお客様が入らずガランとしてしていて、結果として潰れてしまうお店があるものです。飲食店関係者の方なら、繁盛するお店はどのような戦略を行い、どのようなことに配慮しているのかは大変気になるところではないでしょうか?
そこで今回は、繁盛店になるための条件や方法を考えてみました。
開店当時の見込み客数を下回らないようにする

飲食店が繁盛するためには、いろいろな条件をクリアしなくてはいけません。飲食店はよほど立地条件がよいなどの好条件が無い限り、開店してからお客様に認知してもらうためには、1年くらいはかかるといわれています。
開店当時は開店繁盛といわれるように、知り合いが訪れてくれたり、物珍しさで訪れてくれるお客様で繁盛しているように見える場合がありますが、3ケ月もすれば落ち着いてくるはずです。開店時に行列ができていたにもかかわらず、半年もすれば空席が目立つお店もあるくらいです。飲食店にとっては、開店から1年目くらいまでが今後を左右する正念場になってくると思われます。
飲食店を開店するときには、だいたい毎日どれくらいのお客様の来店が見込まれるかということを計算していることでしょう。もし、毎日の来店客が、当初の見込み数より1組ずつ少ない場合を考えてみてください。
1人当たりの単価が5千円、2名が平均客数だとすると1万円になります。そうすると、1ヶ月で30万円売上が下がることになります。よって、たかが毎日1組だと簡単に考えてはいけないことになります。
大切なことは、開店当時の見込み数を下回らないためにはどうしたらいいのかを、常に考え続けなければいけません。
お店の存在を知ってもらう

飲食店が繁盛するためには、「多くの人にお店の名前と場所を知ってもらう」必要があります。なぜなら、お店の存在を知られなければ、お客様の確保ができないからです。
メディアにコネがあり、大々的に取り上げてもらって一時期繁盛するようなお店がありますね。しかし、メディアに取り上げられるお店は他にもたくさんあります。また、メディアにとりあげられたからといって、いつまでもお客様が来てくれるとは限りません。
つまり、飲食店にとっては、メディアに頼らない宣伝活動をしていく必要があるのです。
お店の存在を知ってもらうためには、積極的にこちらからお店の情報を拡散する必要があります。もし、お店の周囲に住宅街があるのなら、開店時にチラシのポスティングを一般家庭に行いましょう。
駅の広告などに掲載するより、こちらのほうが効果的です。お店が繁華街なら、駅周辺でチラシ配布を行います。知ってもらわなければ始まりません。
チラシには、「オープニングにつきワンドリンク無料」などのお得情報と、お店の自慢メニューなどを掲載するようにしましょう。
リピーターを確保する

貴重なお金を払って来てくれるお客様は、決してお人好しではありません。支払ったお金に見合う満足を得られないと思えば、2度と来てはくれないでしょう。
繁盛店になるには、来てくれたお客様に「リピーター」になってもらうことが大切です。つまり、一度来てもらえたお客様に魅力を感じてもらい、もう一度お店に訪れてもらわなければいけません。
メニュー戦略を入念に行う
飲食店である限り、魅力を感じてもらえる一番のポイントは「メニュー」や「味」でありたいものです。そのためには、開店前にメニュー戦略を入念に立てる必要があるということです。
味覚は人それぞれですが、多くの人が美味しいと思ってもらえるためには、開店前にできるだけたくさんの人に試食してもらいましょう。
知り合いや知り合いの知り合いに頼んで、ターゲットとする客層の年齢に近い人たちにお願いするといいでしょう。もちろん、自分の舌に自信があるのなら、その感覚を大切にすることも必要ですが、それだけではやはり不十分です。多くの人に、正直な感想を聞くように心がけましょう。
お客様がリピーターになってくれるということは、他のお店にない何かを感じてくれたということです。そのためには、メニューの中でも「特にこれが売り」というものがある方がいいのです。
「あそこは何を食べても美味しい」というを目指すことがもちろんベストですが、「あのお店のこれが食べたい」という看板メニューがあるのも大きなアドバンテージになります。
再来店してもらう仕組みをつくる
リピートしてもらうには、お客様にお店のことを思い出してもらう必要があります。そのためにはなにができるのでしょうか。
考えられる方策としては、DM(ダイレクトメール)でお得なお知らせや旬な案内を送ることです。そのためには、顧客情報を取得する必要がありますので、その仕組みを考えましょう。
また、FacebookやLINE@などのSNSを活用するのもおすすめです。ファンやフォロワーを増やして、お店の情報を届けるようにしましょう。
飲食店が集客増するためのSNSマーケティング戦略とは | Twitter、Facebook、Instagram、LINEの活用法
従業員を大切にする

味やメニューの充実以外で、飲食店が繁盛するかどうかを左右するのはサービスです。自分が飲食店に行ったときに、どういうサービスを受けたいでしょうか?それはきっと、店主の笑顔や従業員の笑顔といったサービスではないでしょうか。
お店のスタッフがお客様へ笑顔を向けられるようになるには従業員教育が大切になってくるのですが、あまり厳しくし過ぎると逆効果です。なぜなら、店主の従業員への態度もお客様に伝わるものです。
ある飲食店の話では、女店主がカウンターの中からホールの従業員を叱責しているのが聞こえたことで、飲食しているお客様はとても居心地が悪かったということもあるそうです。
店主がしかめっ面をしているのに、従業員に笑顔を見せろというのは矛盾していますよね。従業員に愛情のこもった教育ができるかどうかも、商売繁盛につながるといっても過言ではありません。
接客マニュアルをつくる

繁盛している飲食店の多くは、来店されたお客様のことを思った接客が行われています。その背景には、数ある飲食店の中から選んでいただいたお客様に対する感謝の気持ちの他に、心から楽しい時間を過ごしていただくことで、再度の来店を促す来店動機に繋げたいという思惑もあるのです。事実、あるお店の来店者アンケートによると、料理の味よりも従業員の接客が再度の来店に繋がったという調査結果もあるほどです。つまり、繁盛店となる一要素には、接客が大きく関わっているのです。
こうした接客は、各従業員任せにしてはいけません。なぜなら、スタッフ間で接客の質に差が出てしまうと、サービスの質にも差が生まれてしまうからです。そこで、具体的な接客の手順等を記した接客マニュアルを作成することをおすすめいたします。マニュアルに書かれている通りに従業員に接客を実践してもらえば、サービスのクオリティが均一となります。スタッフ全員がクオリティの高い接客を行うことができれば、自然とお店の接客レベルは向上します。そうすれば、自ずと繁盛店へとなっていくでしょう。
ファーストフード店のような決まり切った接客やサービスにしないようにしながら、接客に関するルール作りを行うといいでしょう。
まとめ

いかがでしょうか?
飲食店で繁盛店になるためには戦略が必要です。何より大切なのは味やメニュー作りであることには変わりはありませんが、自分のお店の強みを強化すること、接客マニュアルを作ること、そして、従業員に愛情を示しながら適切な教育をすることが大切です。繁盛店の特徴をしっかり意識し、お客様から愛される店舗を目指しましょう。