「POSレジとは?POSシステムとの違いと特徴や機能、導入のメリット」ではPOSレジの概要、そして導入するべき理由について説明しました。今回はそのうちのひとつ、「複数店舗経営」について詳しく見ていきます。複数店舗を運営するにあたって生じる悩みは、POSレジによって改善できるかもしれません。こちらでは、複数店舗経営のPOSレジ活用による具体的なメリットや活用例、導入手順などをご紹介します。
複数店舗経営の悩みやリスクとは
複数店舗経営においては、売上管理や勤怠管理、在庫管理など、さまざまな業務が複雑化します。まずは、複数店舗を展開する事業によく見られる、悩みやリスクなどを見ていきましょう。
複数店舗展開をすると当然のことながら経費はかさみます。賃料や光熱費はもちろんのこと、各店舗に必要な人材を確保することにも手間と時間がかかるでしょう。スタッフが増えることにより労働保険などの事務手続きは煩雑化して、経営者の負担も増える一方です。
経営者ひとりで各店舗を見て回るには限界があるため、信頼できる店舗責任者を置くことになります。責任者の人件費や手当は他のスタッフより高額となる上、任命する人によっては経営者と意思疎通がうまくいかずトラブルが起こるケースもあります。経営自体がかなり複雑となってしまい、経営者がきちんとした指示も出せぬまま各店舗が混乱し、売上が落ち、結果として赤字になるという話も珍しくありません。
また、よくチェーン展開で陥りがちなのが、「本店と味が違う」といったお客様の声が経営者まで届かずに客足が遠のいていくというケースです。 店舗によって味が違ってしまうことは仕方ないとはいえ、お客様の「声なき声」をくみ取ることができなくなってしまうのは危険です。
各店舗の日々の売上や経費などを毎日確認している経営者は多いはずです。しかし、どのような客層なのか、どういったメニューが好まれているのかなどの詳細を把握しきれていないことで、多くの不具合や失敗を引き起こしていく可能性があります。
上記のような多店舗経営のリスクを解決する策のひとつにPOSレジがあります。POSレジの活用により、多彩なデータの収集や分析が可能となるはずです。複数の店舗を一元管理するため、自店舗に合ったPOSレジを探してみましょう。
複数店舗経営にPOSレジを活用するメリット
POSレジを採用すると、幅広い業務を効率化できます。具体的な内容について見ていきましょう。
店舗ごとの売上を集約できる
複数店舗を展開している場合、店舗別の1日の売上を集約するケースが多く見られます。売上を表計算ソフトなどに打ち込んでジャーナルと一緒に本部に送る作業をしている店舗もあるでしょう。ただし、毎日閉店後に集計作業と打ち込みの作業が発生して手間がかかります。
POSレジは店舗の売上を自動集計してくれる機能が搭載されていることが多い点が魅力です。閉店後のレジ締めをするときに1日の販売実績が自動で本部に送られるため、業務負担を大幅に減らすことができます。
情報の見える化をしやすい
来店する人の年齢層、よく購入される商品、売れ行きの良い時間帯など、店舗ごとの情報を集約することで各店舗の状況の把握がしやすくなります。データの集約ができるため、店舗同士の比較もしやすくなり、販売戦略の判断材料のひとつにできます。
各店舗の在庫状況を把握できる
店舗が増えると、在庫の管理も複雑になりやすいことが難点です。在庫管理システムと連携できるPOSレジもあるため、ぜひ活用しましょう。POSレジを使ってデータを集約することで、経営の本部が各店舗の在庫状況を把握できるようになります。どの店舗でどういった商品が売れているか、どの在庫が残っているかなども、リアルタイムで確認可能です。
こちらも参考にしてみてください。
▶︎ POSシステムで在庫管理を行うメリットと注意点、おすすめサービス
複数店舗経営におけるPOSレジの活用例
上記のように、POSレジによって店舗管理が楽になります。加えて、以下のような方法で活用することも可能です。POSレジを実際に店舗運営に活かすノウハウをいくつか紹介します。
各店舗に合わせたメニュー
各店舗の立地、客層によってメニュー構成は大きく変わります。 本店で一番人気だったメニューが、別の店舗ではまったく出なくなるというのもよくあることです。顧客のニーズは店舗責任者がすかさず察知して、おすすめメニューの切り替えやポップの変更などをしていかなければなりません。
しかし、細かいデータがないまま店舗管理者の感覚だけの意見を経営者に伝えても、経営者のほうが知識も経験もある場合は聞く耳を持ってもらえないということもあり得ます。 店舗責任者の感覚だけに頼るのも、経営者の手腕だけに頼るのも、長期安定した経営を目指すには不安が残ります。
そんなときにPOSレジのデータは非常に役に立ちます。どのメニューがどの客層に受けているのか、どの時間にどういったメニューが一番好まれているのかなどが、データ集計で見えてきます。具体的な売上データに基づき、おすすめメニューを変更したり、セールメニューを打ち出したりすることができるでしょう。
価格設定
季節に合わせたり、月一でおすすめメニューを変更したりするたびに、各店舗でレジの金額変更、登録などを行っていると、店舗側に多大な負担がかかります。新しいメニューを導入するにあたっては、各店舗に配布するマニュアル作り、メニューの作り替え、ポップの張り替えなども必要です。通常の業務にプラスして、経営者側にも店舗側にもさまざまな負担が課されます。
その負担を一部担ってくれるのがPOSレジです。レジの登録などを全店舗一括で変更してくれるため、メニューの名称や価格を一つひとつ入力する手間が省けます。 特別プランのコースメニューや限定商品なども簡単に登録することができます。忘年会、新年会などが続く時期に重宝するだけではなく、繁忙期こそ発生しやすい会計ミスを減らすことにもつながるでしょう。
使用データ項目の統一
新店舗オープンにあたって既存店舗からヘルプでスタッフを呼び、その間に新店舗のスタッフを育てるケースは多いでしょう。そのような状況でも、お客様に対してのサービスを怠るわけにはいきません。オープン時は業務量が増えやすく、従業員それぞれに負担がかかりがちです。
同様に、新規スタッフの不慣れさから、オープンしてしばらくは会計ミスも多いものです。 会計ミスはお客様からの苦情にもつながり、店への不信感を生んでしまうこともあります。 POSレジがあれば、細かいメニューや価格を記憶していなくても、レジ操作を覚えてしまえば会計もスムーズにできます。
スタッフのシフト調整
POSレジには顧客管理機能があり、細かくお客様情報を収集することができます。 オーダーを取った時間、滞在時間、会計時間なども把握できます。使えば使うだけ、多種多様なお客様データを集めることが可能です。 曜日ごと時間ごとでお客様の流れがつかめると、店舗管理者はスタッフのシフトが組みやすくなります。また、他店の情報も確認できるため、ヘルプの行き来もスムーズです。
新規のスタッフを雇う際にもPOSレジのデータは非常に有効です。ランチタイムの補強にショートタイムで働くスタッフを数名雇い、ロングタイムのスタッフにはアイドルタイムを1人で回してもらう、というようなシフト組みも可能なため、人件費の削減にも役立ちます。
近隣店舗への集客
機会損失は店舗管理者も経営者にとってもできるだけ減らしたいものです。POSレジなら自店のデータのみならず、他店のデータも一括で確認することができます。もし自店で満席となってしまっても、近隣の他店がまだ空いているときはそちらへの誘導も可能です。
「ただ今満席となっておりますが、○○店の席が空いております。いかがしますか?」の一言があれば、たとえそのときはお帰りになったとしても「そこまでしてくれるなんて」という感動を生み出すことがあります。そして、その感動は再来店につながることでしょう。POSレジの導入によってこういった機会損失を防ぐことができ、リピーターの増加にもつなげられることが期待できます。
情報の共有
チェーン展開をしている店の場合、基本的なメニューが同じだったとしても、混み合う曜日や時間帯は微妙に異なるケースが見られます。そのような店の間で人事異動をする場合にも役に立つのがPOSレジです。
POSレジで移動先店舗の細かい来店データなどを見ることができるため、異動になる前からデータをしっかりと頭に入れられます。異動先の店舗の管理もスムーズにいくでしょう。 また、店舗管理者経験のない人が店舗管理をすることになっても、あらかじめシミュレーションしておくことにより無駄を防ぐことが可能になるはずです。
新しくPOSレジを導入するまでの手順
店舗で使うPOSレジは、しっかりと吟味した上で採用することが大切です。こちらでは、POSレジ導入の主な流れをご紹介します。
Step1.POSレジの事業者に問い合わせる
POSレジのサービスを提供している事業者にレジを新しくしたい旨を伝えます。公式サイトに問い合わせフォームもしくは電話番号が記載されていることが多いため、チェックしてみましょう。
問い合わせの際は、レジの買い替えでどのようなことを実現したいかを伝えます。要望や現状の課題をあらかじめ整理しておくと良いでしょう。話を聞いて、検討しても良いと思ったら見積もりをもらいます。
Step2.見積もりをもとに検討する
見積もりやサービス内容を検討してPOSレジを導入するかどうか決めます。見積もりの内容を比較したいのなら複数の事業者に問い合わせるのがおすすめです。事業者によっては無料のトライアル期間を設けているところもあり、操作感を事前にチェックできます。
Step3.機器の購入・アプリのダウンロード
導入に際して必要な機器を購入します。レジ本体やキャッシュドロア、キャッシュレス決済端末など、必要なものをリストアップしてみましょう。
タブレット型POSレジの場合は、既存のタブレットにアプリをダウンロードするだけで使えるものもあります。レジ用のタブレットがすでにある場合は、初期コストを抑えられるでしょう。
Step4.業務に必要な機器を導入する
店舗で行う業務によって、必要な機器は異なります。例えば、飲食店であればホール業務の際に使うハンディがあると便利です。POSレジと連動可能なハンディを用意しましょう。
Step5.店舗での使用を開始する
必要な機器が揃い、従業員に使い方を周知できたら、実際に使用を開始できます。使い方で不明点がある場合はサポートセンターに問い合わせましょう。POSレジを提供するサービスによっては、導入サポートを実施していることもあります。
複数店舗経営でレジを買い替える際の注意点
レジを新しいものに変える場合、既存レジのデータ管理や自社システムとの連携について考慮しておきましょう。こちらでは、複数店舗経営においてレジを買い替える場合のポイントをご紹介します。
自社のシステムと連携できるかどうか確認する
本部に集約したデータをPOSレジの機能以外で活用する際は、既存システムとデータが連携できるかを把握しておきましょう。連携ができない場合は既存のシステムを新規リニューアルする必要が出てくる可能性もあります。POSレジが集計するデータの形式などは事業者に質問しておきましょう。
今のレジで扱っているデータを保管する
レジを買い替える場合、今まで使っていたデータを引き継ぐのは難しいといえます。異なる事業者のレジ同士を引き継ぐ機能は搭載されていないことが多いためです。既存のデータは、バックアップを取るなどして保管しておくのがおすすめです。
複数店舗でのレジ買い替えを検討している場合はユビレジへ
複数店舗経営の負担を軽減し、業務を効率化するためには、POSレジの導入がおすすめです。顧客管理機能や売上集計機能、在庫管理機能、スタッフ管理機能など、多彩な機能を駆使することで、多店舗経営の抱える悩みを解決できるかもしれません。これからPOSレジを導入するなら、iPadで使えるタブレット型POSレジのユビレジの利用をご検討ください。
ユビレジは複数店舗を展開する事業者のレジ買い替えにも対応しています。例えば、大学生協事業連合に所属する全国38都道府県の大学・高等専門学校にあるレジでも、ユビレジが採用されることが決まりました。購買や書籍販売店、食堂など、約1,000店舗のレジをユビレジに置き換えることが決まったことからも、信頼性や利便性などを実感していただけるのではないでしょうか。気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
【POSレジでユビレジが選ばれる理由】
日々の業務効率化だけでなく、売上管理・分析等によりビジネスの様々な面で役に立つ「POSレジ」ですが、これから導入を検討されるのであれば「ユビレジ」がおすすめです。
▶︎ 複数店舗展開する事業者に選ばれる理由
▶︎導入事例:「導入も操作も簡単なので、当社の半数以上の店舗でユビレジを導入しています。」株式会社トランジットジェネラルオフィス
豊富な分析機能を揃えているのはもちろん、導入いただいている企業には操作性の高さを評価されています。また、サポート体制も充実しているため、疑問点があればいつでもお電話でご質問頂けます。初めての方でも、安心してご利用いただけるためまずは一度お問い合わせください。