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東北地方大震災から1年が経ってユビレジができること

ユビレジの木戸です。2012年3月11日現在、東北地方大震災からちょうど1年が経ち、ユビレジとして何ができるかを再確認する意味でブログを書いています。

1年前に発生した震災の影響を受け、我々の顧客の中でも店舗の備品が破損するといった軽微な被害から店舗が津波により消失するといった甚大な被害まで大小様々ありました。ユビレジの会計送信ログ上ではまさに3月11日から更新されていない店舗もございます。こういった店舗へ我々の微力な力でやるべきことは何かを考え、身の丈に合った支援として、日夜精力を注いで開発を続けているユビレジというサービスを無償提供するという結論に達しました。現地でボランティアに参加したり、寄付金を募ったりすることは大変素晴らしいことですが、お金も人手もないベンチャー企業が担う役割ではないかもしれません。東北地方が被災以前以上に発展するために我々が貢献できることは、ユビレジというサービスを提供することでしかないと考えています。

被災地域への早期営業再開支援プラン

ユビレジでは東北地方大震災で被災した地域への早期営業再開支援プランを提供しています(追記:現在はプランの提供を終了しています)。

情報が行き届いていないこと、実際に大きな被害を受けた店舗はようやく活動再開し始めたことから、まだ多くを支援できていないのが現状ですが、昨年末岩手県大船渡市にある一件の居酒屋の営業再開に貢献できたことを報告いたします。

本件は「Business Media 誠」様にも記事としてまとめて頂きましたが、我々の視点でも実際にどういったことがあったのか一つの復興事例として書き留めておきます。


昨年11月にユビレジ宛に一通のメールが届きました。

岩手県大船渡市で居酒屋を営業しておりました、「北の味処 ときしらず」の○○と申します。「ユビレジの無償提供による東日本大震災-被災地企業の早期営業再開を支援」という記事を見て、メールいたしました。私の店も、津波により全壊・流出しましたが、やっと店舗再開の目処がたちました。店舗再開に伴い、ちょうどPOSレジを探していたところ、御社のニュースに出会いました。しかし、機械類に強くないため、ニュースを読んだだけでは、意味がわからずメールしたところです。詳しく教えて頂けませんでしょうか。

メール内容引用

それまでも早期営業再開支援の実績はあったものの、店舗備品の破損等軽微な被害でした。しかし本件は津波により店舗が全壊・流出したという甚大な被害であり、実際に地域の現状を目で見て状況を把握したい、本当に支援のニーズがあるのか確認したいと思い、店舗の再開日に現地に行って立会いたいと考えました。

被災から9ヶ月経ったが復興までの道のりは長い

12月末、早朝の岩手のバス停に到着すると吹雪いており、10mほど先までしか視界がありません。雪がやむと現状が広がっていました。3月の震災から9ヶ月が経過して尚、津波の到達した地帯においては道路以外廃墟となっていました。所々ガレキが山のように積まれている以外は何もありません。ガレキを撤去することがやっと一段落したところで、店舗の再開・復興などはまだまだ先の話という印象です。

プレハブの集合仮設商店街「屋台村」

周辺が廃墟となっている中に、プレハブの建物が連なっている一画が存在していました。中小企業基盤整備機構が被災地域の店舗へ無償での土地・建物の提供を行っている仮設商店街です。今回支援させて頂くことになった店舗も、この支援を受けています。国の対応が遅いとはいわれつつも、現場では実際に行政や企業が一丸となっての支援が実現できています。プレハブの集合仮設商店街である屋台村には20店舗ほどの居酒屋・定食屋・スナックなどが並んでいて、ほとんどが営業再開したばかりもしくは再開前の状態でした。

仮設商店街
屋台村
鰣不知(ときしらず)

店舗開業から突然の被災そして営業再開まで

元々、2010年の3月1日に開業した「北の味処 ときしらず」は2011年3月まで約1年間大船渡市で居酒屋経営をしていました。ちょうど1周年が経過してまもなく東北地方大震災と津波の被害に遭いました。しばらくは避難生活をしていましたが、その後数ヶ月経つと周りから店舗を再開しないのかと聞かれるようになりました。もちろんそのためには開店資金が必要ですが先立つものがありません。被災地への補助金は住居の被害状況によって大きく変わります。住居が全壊すると十分な援助が得られますが、そうでない場合はあまり得られません。そういった状況下で店舗を再開しようにもできない状況が続いていました。中小基盤整備機構の仮設店舗で再開の目処が立ったものの、次は厨房機器等の店舗用品を揃えなければなりません。仮設店舗は借りられる期間も限られているため内装費用もかけられません。流出したPOSレジはリース契約で利用していましたが、天変地異の場合、保険等も下りずリースはそのまま残ります。そこでまたPOSレジを購入すると二重のリース支払いとなってしまいます。そんな中ネットでたまたまユビレジの被災地支援の記事を見つけたとのことでした。

被災地の居酒屋でユビレジが実際に活躍しています。

開店日には無事に多くのお客さんが訪れ、またユビレジもしっかりと活躍していました。

被災地の方々は明るい。

「北の味処 ときしらず」の店長は、被害に遭った当初は茫然として何もやる気が起きなかったそうですが、時間の経過と周囲の方々からの求めにより、店舗をいち早く再開したいという気持ちへ変化していったそうです。全てが流され更地と化した周りの環境とは対照的に被災地の方々は、心の奥までは計り知れませんが、総じて明るい印象を受けました。


現地の復興状況を考えるとまだまだ店舗再開にはほど遠い地域も多いです。特に津波の被害地域は、ガレキの撤去から整地そして再建へと進むため、想像以上に復興までに時間がかかることがわかりました。早期営業再開支援プランは申込期間を2012年4月28日までとしていましたが、現在申込期限延長を考えています。決定し次第ユビレジのサイト上で記載予定です。

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